徹底した個人主義が発達した背景とは。

徹底した個人主義

前述のように、個人主義が徹底されたのは社会を取り巻く環境の変化が、個々の家庭生活にも影響を及ぼしたからだと言えるでしょう。家族団欒が薄れた家の中で、親子の絆も弱まっていきました。親の存在をうっとうしいと感じる子どもたち。そんな子どもをどう扱ってよいのかわからず、もてあます親。また、学歴社会が浸透したために、子どもに勉強に集中できる環境をという期待も込めて、子どもに専用の部屋を与えてしまいます。

、また、子どもの遊びも大きく変化しました。外で鬼ごっこやかくれんぼをしていた時代に取って代わったのが家庭用ゲーム機の登場です。部屋でできるゲームは、仲間さえも必要としません。与えられた部屋の中で、勉強するにしろ、ゲームをするにしろ、子どものころから「個人主義」が身についていったのです。

中学生や高校生で思春期を経て、いよいよ大学生になる日を迎えます。子どもにとっては、わずらわしい受験勉強からようやく解放されるのです。「日本の大学は。入学するのは難しいが卒業はやさしい」と表現されるように、遊び目的で大学に入る子どももめずらしくありませんでした。ましてや、大家や管理人など、うるさい親に代わる大人の監視の目に触れる下宿。ましてや門限など、まっぴらごめんという風潮が強まっていったのでしょう。また、親元を離れた10代の後半であれば、異性との交際も盛んになります。異性を自分の家に呼ぶのに下宿では抵抗がある、相手が嫌がる、あるいは招くこと自体が下宿で禁止されている場合もあります。そういった下宿の堅苦しさや個人のプライバシーが守られない点が、下宿から若者を遠ざけた一因でもあるようです。

なぜ下宿文化は廃れたのか

部屋の設備など、どことなく古臭いイメージがある

下宿には、部屋の設備など、どことなく古臭いイメージがある。

大学生になってまで世話を焼かれる煩わしさ

大学生になってまで世話を焼かれる煩わしさから下宿が敬遠される。

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